【論文】古紙の再生技術!あの有名企業が開発した秀逸な機器に感動!【科学:リサイクル】
今日はリサイクルについて、こちらの論文を読んできます。エプソン社の開発した小型製紙機についての報告です。
[blogcard url=”https://www.jstage.jst.go.jp/article/jtappij/72/7/72_72.779/_article/-char/ja”]はじめに
紙は昔からコミュニケーションツールとして使用されています。
現在、手書きは減ったとはいえ、オフィスでは紙は重要であることは変わりません。
官庁でも徐々にペーパーレス化は進んでいます。
[blogcard url=”https://forbesjapan.com/articles/detail/19403″]
リーマンショックを機に2割ほど紙の生産量は落ち込んだものの、そこから現在まで横ばいです。
なぜ紙を使用するのか
- 電子書籍と比べて読みやすい
- 間違いを見つけやすい
- 必要な分(ページ)だけを持ち運べる
- 書き込みができる
- などの利点が挙げられます。
- 紙のリサイクル
オフィスからのリサイクル状況が悪いようです。
それは、シュレッダーを使うことで、嵩高くなり輸送コストが上がること、細かくなりすぎてリサイクル自体が困難になる。
また、機密文章を段ボールに入れて持っていく場合、情報漏洩が問題視されることが大きな要因らしいです。
そこで、この論文では気軽にオフィスでできる製紙機を作ったという報告です。これを、筆者らは「小さなリサイクル」と呼んでいます。
開発技術
- 小さなリサイクルを実現するために
- ビル内での設置可能な、小型・省電力化
- オンデマンド性
- 再生紙の品質確保
- 厚紙や色紙にもできる機能を付加
これだけ聞いてもすごいですよね。(大企業であっても)既得権益をどうしても手放さないとしている企業がたくさんあるなか、未来志向の会社だなと改めて感心しています。
製紙機を作るにあたって
- 古紙を単独パルプ繊維に分解する。
- 分解されたパルプ繊維を均一なシート状に形成する。
- シートを紙にするために高密度化する。
これが論文中に載っていた写真です。左側がちゃんと分解できたときのパルプ繊維で、右が凝集して綿状になっているパルプ繊維です。ここまできれいな繊維にすることができるんですね。ちょっと驚きです。叩きながらほぐしていくようですよ。
普通は、セルロースのOH基が水素結合することで、パルプ繊維を結合させますが、この機械は乾式(水を使わない方式)のために、粉末の接着剤を使っているようです。
この接着剤に着色することで、色紙をつくるらしいです。
これらの機能を統合して、再生紙をつくる機械がこちらです。
おわりに
まず、紙の方がいいとかいろいろな意見がありますが、明らかに世界の流れからペーパーレス化が進んでいくことでしょうから、電子化導入に徐々に慣れていくべきだとは思います。
さて、本論文についてですが、本当に素晴らしいと思います。製紙化できること、厚紙や色付きの紙を作れるってとこも注目ですね!
これは、オフィス向けに作ってますが、リサイクルビジネスとして始めたいなって思うほど、素晴らしいできですね。