【化学】これならわかる!高分子の分子量分布【高分子】

2018年11月8日

はじめに

分子量を前回の記事で紹介しましたが、高分子の分子量は一筋縄ではいきません。今回紹介するのは、高分子の2種類の代表的な分子量を紹介します。

どんな分子量があるのか

今日紹介するのは

  • 数平均分子量
  • 重量平均分子量
  • 多分散度

他にも

z平均分子量などなどたくさんありますが、一般的には上記の2種類で分子量を評価するために、今回は2つに絞って説明します。なぜ平均で表すかというと、高分子は一定の分子量を作るのがタンパク質などの特定の生体高分子を除いて不可能です(この記事では、分子量と書きますが、高分子につては平均分子量を意味しています)。それは、高分子の合成反応が1パターンのみで起こるというのが稀であり、大きいもの、小さいものが混在する中での溶解性、濃度ムラ、粘度など合成中に影響を受けるパラメータが非常に多いことに起因しています。

最後の多分散度については、あとから説明しますね。

なぜ分子量が必要か

高分子は、分子量によってもその性質が異なっていきます。分子量は高分子の鎖長でもあるからです。長いと分子同士が絡まりやすくなります。これは諸物性だけではなく、成形性にも影響を与えるために、製品とするときには分子量と必要とする諸物性との相関を見直す必要があります。

一般に、合成屋さんには数平均分子量、物性屋さんには重量平均分子量が非常になじみ深いと思います。つまり、研究する分野においても高分子の分子量の捉え方が違ってきます。

分子量の活用は以下に大別されます。

  • 重合に関する評価・・・反応機構から得られる理論的な分子量分布を実験的に検討します。重合動力学や反応機構の研究で、以下紹介する分子量を自由に操作するための重合方法の開発で使います。
  • 高分子劣化の評価・・・解重合(加水分解)や酸化劣化などで、分子量が変化する反応機構の解明に利用されます。
  • 成形性の評価・・・紡糸、フィルム、樹脂成形など、プロセスの最適化
  • 機械的特性の評価・・・分子量と機械的性質との相関から、そこで分子量が使用されています。

数平均分子量(Mn)

これは、高分子鎖一本に注目した分子量です。

例えば、以下のように分布していたとします。枠の大きさが分量の大きさ、枠の数が分子の個数を表しています。10,000が1個、5,000が6個、1,000が10個あったとします。

この時の数平均分子量Mnは、

Mn=(10,000 x 1個+5,000 x 5個+1,000 x 10個)/(1個+5個+10個)

=45,000/16=2812.5

となります。

重量平均分子量(Mw)

高分子量(合成した高分子の分子量が大きいもの)に注目した分子量です。

上の図でいうと、重量平均分子量Mwは

Mw=(10,000 x 10,000 x 1個+5,000 x 5,000 x 5個+1,000 x 1,000 x 10個)/(10,000 x 1個+5,000 x 5個+1,000 x 10個)

となります。数平均分子量の分子が、重量平均分子量の分母になってます。

多分散度

多分散度は分布がどのような広がりを持つかを示してくれます。単分散の場合、その値は1になります。

高分子の分子量測定

分子量≒大きさとして考えます。高分子の分子量で一番有名なのがGPCでしょう。また、光散乱法についても、同様に有名です。NMRもポリオレフィンなどで一般的に用いられる方法です。MnやMwを求める方法、相対法か絶対法かでもまた違ってきます。ここについては、後ほど他の記事でまとめます。

おわりに

分子量は、高分子では平均が使われます。上記の二つさえ覚えていれば、論文上多くの場合問題ないと思います。さらに詳しい情報は、後々作成したら、ここにリンク張ると思います。

おしまい

2018年11月8日

Posted by xxxchem