NMRは難しくて使えない②:磁性

結論から言います。今回知ってほしい式は以下の2つです。
$$M=\chi B_0$$
$$E=-\mu \cdot B$$

NMRに大事な性質「磁性」とは

磁場中に物質があるとき、物質が磁場によって磁化されます(磁石になる)。
永久磁石と異なり、この磁化は外部の磁場を取り除くとなくなります。そのため、このようにしてできる磁化を誘起磁化と呼びます。

磁性とは、すべての物質が持っている性質です。ですが、磁石を近づけても中には引きあるもの反発するものなどいろいろな種類があるのはみなさんご存知だと思います。

磁性は、「反磁性」、「常磁性」、「強磁性」、「反強磁性」の4つに大別されます。

しかし、NMRの原理を考えるうえでは、磁場と同じ方向に誘起される常磁性、逆方向に誘起される反磁性の二つをしっかり抑えればいいでしょう。「反磁性」はすべての物質が持っている性質です。一方、「常磁性」は不対電子を持っている物質のみが持つ性質で、その「常磁性」物質どうしが接近し互いに影響を生じた場合に生まれるのが「強磁性」あるいは「反強磁性」です。

これらはHuntの法則で説明できます。以下の図を見てください。

それでは、冒頭で話した式について説明します。
この式は、磁気の定義式です。

$$M=\chi B_0$$

ここで、$M$は磁化、外部磁場の強さ$B_0$、$\chi$は磁化率または磁気感受率と呼ばれる比例定数です。
Mは磁気天秤などで調べることができます。

$H=B_0$としていいと思います(物理の定義が難しい)。

なぜ磁性が出来るのでしょうか?

先ほど言いましたが、すべての物質が磁性をもっています。さらに言えば、電子、陽子、中性子は磁性をもっています。

  • 電子が作る電流によるもの
  • 電子自身の磁化
  • 核の磁化

ということです。

外部磁場を加えるとどうなる?

磁場がなければランダムに向いている多数の電子や核の磁化は、外部の磁場の方向に整列します。
そのため物質全体として巨視的な誘起磁化が生じます。

物質は磁場から

$$E=-\mu \cdot B$$

だけのエネルギーを与えられます。ここで、$\mu$は磁気モーメントと呼ばれる物質に固有の量であり、$B$は外部磁場です。$\mu$は磁場をかけたときに誘起されるタイプと磁場がなくても0出ないものがあります。後者はいわゆる永久磁石です。

誘起される磁気モーメントは

$$\mu \propto \chi V B_0$$

です。

さいごに

今日は式を2個紹介しました。
基本的な式でしたが、せっかくなので覚えて行ってくださいね。

この式から磁化とエネルギーを求められます。NMRの多くの式でこの式を基に変形しているので、覚えるのは必須かな?

Posted by xxxchem