【化学】1から化学勉強法~気体~

2018年12月12日

気体分子の運動

気体分子の平均速度

気体分子の運動速度は温度が高くなると増加します。これは、高校化学や物理で習ったことだと思います。

しかし、その速度はある一定温度においてすべて同じではなく、ある分布をなしています。

速度分布をマクスウェルーボルツマン分布

$\frac{\text{d}N}{N_{0}}=4 \pi (\frac{m}{2 \pi k T})^{3/2}e^{-mv/2kT}v^{2}dV$

にしたがって描いたものです。この辺たくさん式が出てきますが、「絶対に覚えなきゃいけないもの」と「使えればいいもの」のふたつあります(もちろん、全部式導出から式の意味を抑えれるなら、抑えたい。でもそんな人有名な教授でもそうそういないのでは?)。

とりあえず、この式は「使えればいいもの」です。つまり、温度と速度分布を調べたいときにこんな式あった、っていう感じです。

もし、実際に調べるときには、Originなど(他にも、Excel、Matlabなどなど)の演算ソフトを使って計算を自動でやればいいです。

ここで、$\frac{\text{d}N}{N_{0}}$は速度が$v$と$v+dv$の間にある分子の割合です。$m$は分子の質量、$T$は絶対温度です。$k$はボルツマン定数と呼ばれる定数です。

物理化学ではほぼすべての定義が絶対温度で表されます。

この分布式にしたがって気体分子の平均速度$\overline{v}$を計算すると次のようになります。

$$\overline{v}=(\frac{8kT}{\pi m})^{1/2}$$

分子の質量の代わりに、あとで述べる気体定数$R$と$\ce {1 mol}$の分子の質量$M$を用いると

$$\overline{v}=(\frac{8RT}{\pi M})^{1/2}$$

となります。

気体分子のもつ平均運動エネルギー$E$は、

$$E=\frac{1}{2}m\overline{v}^{2}$$

です。つまり、平均運動エネルギーは速度が大きいほど大きく、質量が大きいほど大きいです。しかし、質量が大きくなると速度が小さくなるので気体分子の平均運動エネルギーは温度が同じであれば、気体の種類に関係なくほぼ一定になります。

気体の圧力

圧力については、分子が面にぶつかる回数と高校物理で習ったはずです。この辺について話していきます。

容器に閉じ込められた気体の示す圧力は、気体分子がその容器の壁に衝突して、その壁に与える力です。容積$V$の容器の中の気体の分子数を$N$とすると圧力$p$は次のように示されます。

$p=\frac{Nm(\overline{v}^{2})}{3V}$

$\overline{v}^{2}$は平均二乗速度であり、この平方根は平均速度とはわずかに異なり、根平均二乗速度と呼ばれています。

$\sqrt{\overline{v}^{2}}=(\frac{3RT}{M})^{1/2}$

アボガドロの法則

$p=\frac{Nm(\overline{v}^{2})}{3V}$式を変形し、分子数$N$をアボガドロ定数$N_{A}$で割ったものが物質量となることに着目すると、次式が得られます。

$$n=\frac{3p/N_{A}}{m\overline{v}^{2}}V$$

温度が一定であれば$\overline{v}^{2}$は一定であり、また積$m\overline{v}^{2}$は気体の種類に関係なく一定です。したがって、同温、同圧、同体積で比較すると$n$は気体の種類に関係なく、一定の値をとることになる。

これがアボガドロの法則である。

同温、同圧のもとで同体積中の気体には、気体の種類に関係なく同数個の分子が含まれています。

また、$n=\frac{3p/N_{A}}{m\overline{v}^{2}}V$式に数値を入れると、1 molの気体が$0^{\circ}C$の$22.414 dm^{3}$の容器内で示す圧力を$1 atm$となります。

ボイルの法則

同数の気体分子を考えれば、同じ温度では、容器の小さい容器内の圧力の方が、大きい容積の容器内の圧力よりも大きくなります。$p=\frac{Nm(\overline{v}^{2})}{3V}$式から明らかにように、気体分子の数と温度が一定であれば、気体の圧力$p$は体積$V$に半比例します。

$$pV=const$$

これがボイルの法則です。

ロバートボイル

アイルランドリズモア英語版出身の貴族、自然哲学者、化学者物理学者発明家

科学者としてのボイルは、フランシス・ベーコンが『ノヴム・オルガヌム』で採用した原則に忠実だった。

引用:wikipedia

シャルルの法則

自由に膨張できる容器内の気体では、温度を上昇させると圧力がもとの値になるまで気体分子が容器の壁を押して体積を増加させます。

気体の体積と温度の関係は、$p=\frac{Nm(\overline{v}^{2})}{3V}$と$\sqrt{\overline{v}^{2}}=(\frac{3RT}{M})^{1/2}$式を組み合わせると得られますが、分子の数と圧力を一定にすると、

$$\frac{V}{T}=const$$

がえられます。すなわち、気体の体積は絶対温度に比例することになります。これがシャルルの法則です。

ジャック=シャルル

フランスの発明家、物理学者、数学者、気球乗り。1783年8月、ロベール兄弟と共に世界で初めて水素を詰めた(有人)気球での飛行に成功。

サントル地域圏ロワレ県ボージャンシーに生まれる。自分より37歳も若い Julie Françoise Bouchaud des Hérettes (1784–1817) と結婚。

引用:wikipedia

理想気体

理想気体の状態方程式

ボイルの法則とシャルルの法則を組み合わせると

$$\frac{pV}{nT}=const$$

という関係が得られます。この関係が厳密に成り立つ期待を理想気体といいます。

$\frac{pV}{nT}=const$式の定数が気体定数であって、$R$で表します。標準状態($0^{\circ}C$、$1 atm$)で$1 mol$の気体の占める体積は$22.414 dm^{3}$であるから、$R$は次のような数値をとります。

$$R=\frac{pV}{nR}=\frac{1 (atm)\times 22.414 (dm^{3})}{1 (mol)\times 273.15 (K)}=0.082 (dm^{3}\cdot atm \cdot mol^{-1} \cdot K^{-1})$$

$R$を用いると、$$\frac{pV}{nT}=const$$式は次のようになる。

$$pV=nRT$$

これが理想気体の状態方程式です。

混合気体

数種の理想気体からなる混合気体でも、混合によってなんらかの化学反応が起こらなければ、$pV=nRT$式は成り立ちます。気体$1,2,…, i$からなる混合気体が容積$V$の容器の中にあるとします。

各気体のモル数が$n_{1},n_{2},…,n_{i}$であって、温度$T$のときのこの混合気体の圧力をpとすると、

$$pV=(n_{1},n_{2},…,n_{i})RT$$

各成分気体について考えれば、それぞれの気体の分圧を$p_{1},p_{2},…,p_{i}$とすると、

$p_{1}V=n_{1}RT$、$p_{2}V=n_{2}RT$、$p_{3}V=n_{3}RT$、・・・

となり、

$$(p_{1}+p_{2}+…+p_{i})V=(n_{1}+n_{2}+…+n_{i})RT$$
$$=nRT$$

が得られます。

$$p_{1}+p_{2}+…+p_{i}=p$$

となることがわかります。

すなわち、混合気体の圧力(全圧)は各成分気体の圧力(分圧)の和に等しいです。これが、ドルトンの分圧の法則です。

ジョン・ドルトン(John Dalton, 1766年9月6日 – 1844年7月27日)は、イギリス化学者物理学者ならびに気象学者。

1837年脳梗塞を患い、1838年の2度目の脳梗塞で言語症となったが、実験を続けた。

気体分子の分子量

気体分子の平均速度$\overline{v}$は、その気体の$1 mol$の分子の質量Mの平方根に反比例することになります。

これがグレアムの法則です。

この関係から、小孔から気体が流出する速度(拡散速度ともいう)を測定することによって、その気体の分子量を求めることができます。

気体1、2の分子量M_{1}、M_{2}とし、同一体積のこの種の気体が同じ条件の下で最高から流出する速度をv_{1}、v_{2}とすると、

$\frac{v_{1}}{v_{2}}=\frac{\sqrt{M_{2}}}{\sqrt{M_{1}}}$

が得られます。したがって、分子量がわかっている標準機体を選んで、その流出速度を測定することによって、未知分子量の気体の分子量を求めることができる。

また、$1 mol$の分子の質量$M(g \cdot mol^{-1})$なる気体$m g$は$(m/M)$ molであるから、理想気体の状態方程式を用いて次の関係を得ます。

$M=\frac{mRT}{pV}=(\frac{m}{V})\frac{RT}{p}$

したがって、気体の質量とそのときの温度、圧力、体積がわかればその気体の分子量を求めることができます。また、$(m/V)$は密度であるから、密度、温度、圧力の組み合わせからも分子量を求めることができます。

実在気体

理想気体の状態方程式から考えると、温度が一定であれば、$pV$の値は圧力$p$に関係なく一定のはずです。

しかし、実際に存在する気体についてこのことを調べてみると、一定にはなりません。

実在気体が理想気体との祖語が現れる理由

  1. 実在気体では分子それ自体の体積がある
  2. 分子間力が働いていること

実在気体に関して、いくつかの状態方程式が提出されているが、そのうち次のファンデルワールスの式が最も有名です。

$$(p+\frac{n^{2}a}{V^{2}})(V-nb)=nRT$$

ここで$a$は分子間力を考慮した定数であり、$b$は分子の体積を考慮した定数です。定数$a$と$b$は、圧力$p$、体積$V$、温度$T$の実数地からも決定できますが、臨海温度、臨海圧、臨海モル体積からも求めることが来ます。

 

2018年12月12日

Posted by xxxchem